よちよち歩きのLinux(Debianによる開発環境の構築)

MariaDB10.5の設定

1.MySQLとMariaDBの歴史的経緯と比較

ミカエル・ウィデニウスらが設立したMySQL AB社が、1985年にMySQL初版バージョンをリリースした。
MySQLは、リレーショナルデーターベース(RDB)で、GNU General Public License(GNU GPLまたはGPL)ライセンスのオープンソースのとしてリリースされてきた。
MySQLが受け入れられRDB分野でシェアを拡大したことで注目され、サン・マイクロシステムズ社からオラクル社へと買収された。 オラクル社は自社の「Oracle Database」と競合する「MySQL」を取込むことで、RDB分野で不動のシェアを確保した。 オラクル社は、MySQLを①商用版と②GPL版の2本立てでリリースしている。②GPL版は、商用版より低機能になっている。

MySQL創始者のミカエル・ウィデニウスは、2009年2月にMySQL開発者と共にサン・マイクロ社を退社し、MySQL派生版のMariaDB初版を2009年2月にリリースした。
オラクル社がMySQL(GPL版)のリリースを中止した時の受け皿として、MySQL互換版をMariaDB5.5までリリースしてきたが、MariaDB10.1からMySQLからの移植を担保しながら機能拡充路線に変わってきている。

仮想サーバーの構築が無料アプリでできるのは、GPLライセンスのおかげです。今回、MySQLの代わりにMariaDBをインストールすることにした。

MySQL MariaDB
MySQL AB
1985~2007

ミカエル・ウィデニウスらが開発

1995年5月 初版リリース
2003年3月 MySQL4.0リリース
2005年10月 MySQL5.0リリース

2008年2月 サン・マイクロに買収される

 
Sun Microsystems
2008~2009

2008年11月 MySQL5.1リリース

2010年1月 オラクルに買収される

2009年2月 ミカエル・ウィデニウスが、MySQL開発者と共にサン・マイクロを退社
MariaDB co.
2009~

2009年10月MariaDB初版リリース

2010年 MariaDB5.1リリース

2011年 MariaDB5.3リリース

2012年 MariaDB5.5リリース

2014年10月 MariaDB10.1リリース

2018年5月 MariaDB10.3リリース

2019年 MariaDB10.5リリース

 

Oracle
2010~

2010年12月 MySQL5.5リリース

2013年2月 MySQL5.6リリース

2015年10月 MySQL5.7リリース

2018年4月 MySQL8.0リリース

最新版
2023年1月
mysql-server_8.0.32-1debian11_amd64.deb-bundle.tar

最新版

2023年1月

mariadb-10.10.3-debian-bullseye-amd64-debs.tar

Oracle社の

RDB

①Orcacle Database

②MySQL(商用版)

③MySQL Community Edition(GPL版)

MariaDB社のRDB

 

①MariaDB(GPL版)

2.MariaDB10.5のインストール

2.1 PHPとmysqlを結びつけるパッケージをインストール

root@debian11:~# apt install php7.4-mysql

2.2 MariaDBをインストール

Debian 11.6バージョンでは、mariadb10.5.18バージョンがインストールされた。

root@debian11:~# apt install mariadb-server


3.MariaDB10.5の設定

3.1 MariaDB10.5の設定ファイル

DebianにMariaDBとMysqlの2種類のDBディストリビューションがインストールされて併存する場合がある。
MariaDBの設定ファイルは、多種類に分岐していて、設定ファイルの読み込み順が決まっている。同じオプションが複数定義されている場合は、最後のオプションを適用する仕組みになっっている。


順位 設定ファイル 設定用途
/etc/mysql/my.cnf /etc/alternatives/my.cnfのシンボリックリンク
/etc/mysql/mariadb.cnf MariaDBのグローバルデフォルトを設定
/etc/mysql/conf.d/*.cnf グローバルオプションを設定
4 /etc/mysql/mariadb.conf.d/*.cnf MariaDBのみのオプションを設定
5 ~/.my.cnf ユーザー固有のオプションを設定するためのもの

今回の場合、Mysqlをインストールすることはなく、MariaDBのみを使用する。
設定ファイルの追加・変更は、/etc/mysql/mariadb.cnfと/etc/mysql/mariadb.conf.d/*.cnfを修正し、他の設定ファイルは変更を加えない。


3.2 /etc/mysql/mariadb.cnfの設定

ktanaka@debian11:/etc/mysql$ vi mariadb.cnf

3.3 MariaDBを再起動する。

root@debian11:~# systemctl restart mariadb.service


4.mysql_secure_installatiomによるセキュリティ設定

mysql_secure_installationのみで、セキュリティ設定ファイルが開く。

root@debian11:~# mysql_secure_installation

root@debian11:~# mysql_secure_installation コマンドで再設定することができる。


5.MariaDBをテスト

コマンドmysqlでテスト